研究活動


 蛍光法を利用した岩石に関する研究

岩石中に存在する割れ目や間隙を認識することができれば、岩石の強度や浸透性などの性質を正確に評価することが可能 となる。ところが、割れ目や間隙そのものは空間であるので、認識が非常に困難であったり、誤認したりすることがあり、評価は容易ではない。

そこで本研究室では、 割れ目や間隙に蛍光剤を添加した樹脂を浸透、充填させ、紫外線を照射して割れ目や間隙の部分のみを発光させて顕在化し観察する方法(蛍光法)を考案した (Nishiyama & kusuda, 1994)。蛍光法を用いると、割れ目や間隙の部分の認識がより確実となりまた、コンピュータによる画像処理法にも適している。当研究室では、この蛍光法 を用いて様々な岩石の物性評価や破壊メカニズムの解明に取り組んでいる。


図1-1 蛍光法を用いて顕在化した花崗岩中のマイクロクラック(右:白色部)
(左:クロスニコル,右:紫外線照射)
図1-2 蛍光法を用いた砂岩内微小間隙の可視化(右:青白色部)
(左:クロスニコル,右:紫外線照射)

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繰り返し載荷によるクラックの発生・伸展に関する研究

当研究室では、以上のような地下空間利用の長期にわたる安全評価のため、代表的な岩石の一つである花崗岩を用いて繰 り返し載荷試験を行い,試料内クラックの発生・伸展状況を観察することで,岩石の疲労特性についての研究を行っている。

現在までに,Westerly花崗岩を繰り返し載荷試験に供し,画像解析を行った研究によって,ひずみの増加が安定 な段階で,載荷方向と平行なクラックが主に長石粒子内で成長し,ひずみが加速度的に増加する段階では,載荷方向と平行で複数の粒子を貫くクラックが現れる ことが確認された(図2,矢印)。

図2 破壊直前に見られる複数の粒子を貫くクラック(右図矢印,載荷方向は上下)
after Watanabe et al., Proceedings of 12th Japan Symposium on
Rock Machanics: JSRM2008, pp.861-868, 2008

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圧縮応力下における岩石破壊過程の解明に関する研究

圧縮応力下の岩石の破壊過程の解明は地下空間利用や地盤災害防止の観点から最も重要な課題の一つである。それゆえ, 安全で経済的な地下空間開発のために,岩石の破壊や劣化メカニズムの信頼性の高い評価が必要とされている。

当研究室では,圧縮応力下におけるクラックの進展状況を観察することによって,岩石の破壊メカニズムに関するさらな る知見を得ることをめざしている(図3)。


図3 一軸圧縮強度近くまで圧縮されたWesterly花崗岩内の
マイクロクラックの進展の様子(紫外線照射)
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温度変化に伴う岩石の微細構造と特性の変化

温度履歴に伴う岩石の物性変化は,地熱エネルギーの開発や放射性廃棄物の管理といった地下空間利用に関して重要な問 題である。温度変化に伴う岩石の微細構造と特性の変化を調べるために,熱処理の前後における岩石の微細構造の特徴の変化を観察している。また,岩石物性と 内部微細構造との関係についても検討を行っている。

例えば,300〜500℃まで熱した花崗岩内では多くのマイクロクラックの開口幅が拡大することがわかった(図 4)。


図4 異なる維持温度での藤岡花崗岩内の微細構造

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